楠さんの恋人!





「えっあぁ。
生活指導の村田先生が
泉先生を呼んでますよ。」


 ――泉先生…――


今、先生は呼び方を直したし
口調も敬語にかえた……




なんで…?

生徒の前だから?


でも他の先生は生徒の前だからって
口調を変えたりしないよ?

それとも、泉先生は特別なの…?


また…

まただ……

自分でも分からない気持ちが
頭を…心をめぐってる…


「千尋ちゃん、ごめんなさい。
ちょっと行ってく…る
――って千尋ちゃん…!?」

「えっ…?」

いつの間にか涙が私の頬をつたう。


――……っ!

「し、失礼します―…!」


「千尋ちゃん!!」

「楠さんっ!」



私は保健室を飛び出した。



 
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