楠さんの恋人!





「…尋っ!千尋!!」

昨日と同様、お母さんに起こされ
私は眠たい目を擦る。


「早くしなさい。
学校遅れるでしょ」

学校か―……

「今日は……行かない。」

そう俯き呟くと
お母さんは、え?と驚き
私の額に手をあて熱を測る。

「熱は無いみたいだけど…
気分でも悪いの?」

そう心配する様子に
うっ…と胸が痛む。

でも―…

「……今日は休む。
ほのかに伝えといて?」


「分かったわ。
でもお母さん、今日は仕事なのよ…
何かあったら連絡してちょうだい。」


それに了解と返事をして
再び布団へ潜り込む。


暫くすると、
お母さんは仕事に出ていった。



 
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