楠さんの恋人!



―――――――……

――――――……

――――……


あの日、私は直人に話があって
準備室へと出向いた―…


―コンコンッ―


「…直人?いる?
話があるんだけど―…」


ノックをして中に話しかけると

「…いる。何?」

直人は無愛想な返事をして
ドアを開けた。

そして私を部屋へと招く。



「――…で、話って何?」

私はコーヒーを受けとるけれど
質問にはなかなか答えず黙ったまま。


「…あいつと何かあったわけ?」

「違う…そうじゃないの。」

「だったらどうしたんだ?
理沙が俺の所に来るときは
大体があいつ絡みの話だろ。」


そう―…

いつもこうやって
直人に甘えてしまう自分が嫌だけど
でも、最後にはやっぱり
頼ってしまう…


「結婚…決まったんだろ?
ついこの間それで喜んでたのに。」


私には大学時代から
付き合ってる彼が居て、
一月前プロポーズされた。



 
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