楠さんの恋人!
本当に嬉しくて、幸せで…
その日の夜に
直人に報告したくらいだった。
「彼とは上手くいってるの。
本当に大切にしてくれるし、
私自身も彼を
誰よりも大事に思ってる。」
「だったらっ「でもっ――!」
直人の話をさえぎる。
「結婚したいんだけど
私の両親が駄目の
一点張りなのよ―…」
視界がうっすらと滲んできた。
「おじさんたちが?何で?」
「…分からない。」
二人の間に暫くの間
沈黙が流れる。
そしてようやく口を開いたのは
直人だった。
「…結婚、諦めるのか?」
「――諦めるわけないじゃないっ」
「だったらどうするんだ?
反対されてるんだろ?」
「―……好きなの…!」
その言葉を発した途端
涙が溢れてくる。