いつか、透明になったら
お姉
お姉、あたしのこと嫌いだった?
ずっとさ、気になってたんだ。
あたしの存在で
たくさんお姉を傷つけて
嫌な思いさせたよね。
小さい頃なんか特に
ふたりが喧嘩しても
お姉ばかり怒られて
あたしはいつも誰かに庇われて
嫌になるわな。そりゃあ
何でもかんでも
自分が悪者にされて。
妹は泣けば済むと思って
弱い者扱いされてさ。
それでも お姉はさ
家では理不尽な思い沢山しても
外では
いつも自分で道を切り開いて
しっかり歩いてきたよね。
お姉にとって
きっと家族にいい思い出は
少ないよな、当たり前か。
はっきり言って
あたしは家の中のお姉しか
知らない。
だからお姉が外でどれだけ
人に優しくしてるか
頑張ってるいるか
笑ってるかどうか
全然知らないんだ。
家族だけど、きっと
お姉の友達よりずっと
あたしはお姉のことを
知らないんだと思う。
まさか家で見せるような
不機嫌極まりないような顔
外で見せるわけないもんな。
今お姉が手にしてるものは
あたしじゃ到底届かない
価値あるものばかりだ。
努力した人間だけが
手に入れられる。
人一倍向上心が強くて
なんでも頑張って
色んな人に認められる
認めざるを得ないって
いうのかもしれない。
そのぐらい目に見える努力
あたしでも分かった。