私の空・僕の先生
~美樹~
私はこの春から、桜花(おうか)高校に、新任教師として赴任することになった。
忙しい毎日だったけど、この学校で、私はお気に入りの場所を見つけた。
それは、生徒たちが、みんな教室にいるとき、誰もいない屋上に、一人でのんびりできる場所。
滅多に行けないけど、時々羽を伸ばしに来るのが、私の楽しみになっていた。
久しぶりに、屋上に行くと、先客がいた。
私は、その子の隣に座って、しゃべり掛けてみた。
「暖かくて気持ちいいね。」
私の言葉を無視して、その子は目を閉じていた。
私はなんだかおかしくて、笑いながらその子を引っ張り起こした。
「君、新入生ね。私も新任なの。よろしくね。あなたの名前は?」
その子は、目をこすりながら答えた。
「藤田…空…」
なんて良い名前なのか知ら。私の顔から、笑みがこぼれる。
「そらって、この空と同じ漢字?」
「そうだけど…」
「キレイな名前ね。この空と同じなんて、ステキ」
空は、黙って屋上から出て行った。
…これが、私と空との出会いだった。
空は、背が高くて、カッコいいから、女の子たちには人気があった。
あまり授業をちゃんと聞いてないように見えたけど、成績も良くて、スポーツも得意だった。
男子からも、一目置かれているらしく、彼の周りには、いつもたくさんの友達がいた。
先生たちの間でも、評判の良い子なのに、私には、いつも冷たい態度で、ちょっと、寂しかった。
私はこの春から、桜花(おうか)高校に、新任教師として赴任することになった。
忙しい毎日だったけど、この学校で、私はお気に入りの場所を見つけた。
それは、生徒たちが、みんな教室にいるとき、誰もいない屋上に、一人でのんびりできる場所。
滅多に行けないけど、時々羽を伸ばしに来るのが、私の楽しみになっていた。
久しぶりに、屋上に行くと、先客がいた。
私は、その子の隣に座って、しゃべり掛けてみた。
「暖かくて気持ちいいね。」
私の言葉を無視して、その子は目を閉じていた。
私はなんだかおかしくて、笑いながらその子を引っ張り起こした。
「君、新入生ね。私も新任なの。よろしくね。あなたの名前は?」
その子は、目をこすりながら答えた。
「藤田…空…」
なんて良い名前なのか知ら。私の顔から、笑みがこぼれる。
「そらって、この空と同じ漢字?」
「そうだけど…」
「キレイな名前ね。この空と同じなんて、ステキ」
空は、黙って屋上から出て行った。
…これが、私と空との出会いだった。
空は、背が高くて、カッコいいから、女の子たちには人気があった。
あまり授業をちゃんと聞いてないように見えたけど、成績も良くて、スポーツも得意だった。
男子からも、一目置かれているらしく、彼の周りには、いつもたくさんの友達がいた。
先生たちの間でも、評判の良い子なのに、私には、いつも冷たい態度で、ちょっと、寂しかった。