私の空・僕の先生
 夜になり、私は美空と遊んでいた。玄関のチャイムが鳴った。

「こんばんわ。今、大丈夫?」

「良。大丈夫だけど、どうしたの?」

「うん、仕事の調整ができたから、持ってきたんだけど。」

「ほんとに。とりあえず、上がって」

良が机の前に座るなり、美空がはいはいして近づいて行った。

「この子が美空ちゃん?」

「うん。…珍しいな。知らない男の人には、人見知りするのに」

「これから、仲よくやっていけそうだな。…なぁ、美樹」

「何?」

「これから毎日、顔だしてもいい?」

「うちに?」

「そう。今日はご機嫌だからいいけど、いつもこうとは限らないだろう?」

「そうだね、美空をお願いするし」

 次の日から、良は毎日うちに来て、美空と遊んだり、世話をしたりて、すっかり仲良くなった。

こんな生活にも慣れたころ、

「美樹、そろそろ時間だろ?」

「うん、…美空?」

寝室からなかなか出てこない私を、良が見に来た。

「美樹、どうしたんだ?泣いてちゃわからないだろ?」

「美空が、凄い熱で、意識がないの…」

「仕事はなんとかするから、病院行くぞ!」

泣き続ける私を良がしっかり抱きしめた。

「大丈夫。落ち着いて」

「…うん」

美空の容態は、思ったより、大したことはなく、次の日、念のため、もう一度来るように言われた。

家に着き、美空をベッドに寝かせると、一気に力が抜けた。
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