私の空・僕の先生
「藤田君、学校で、人気者じゃない。親友とか、彼女とかいるでしょ?」

「…学校の奴らは、みんな、オレの表面しか見ない。だからオレも、本気で奴らとツルムきないし…」

他人との付き合いなんて、どうでもいいと、彼は言った。

私は、彼はどんなに深い悩みを抱えているのか、とても気になった。

「空…」

「…オレの名前、知ってたんだ」

「当たり前じゃない。生徒の名前くらい、知ってるわよ。…私の家でよかったら、遊びにおいで」

「ホントに?」

空が、目を輝かせた。

「うん…でも、ペットとして扱うつもりなんてないからね!友達として、だからね」

「先生、ありがとう」

空は、嬉しそうに笑って、私に抱きついた。

パシッ!!

…私は、空のおでこを軽く叩いた。

「痛ってー。先生何するんだよ」

「急に抱きつくのナシ!恋人じゃあるまいし。友達よ。友達!」

そして、私たちの奇妙な関係が始まった。

~空~
なんであれ、先生に近づくことができて、オレはスゴく嬉しかった。

先生と二人きりなら、オレだけにしゃべって、笑いかけてくれる。

先生、オレの気持ちに、気づいて。

~美樹~
本当に、これで良かったのかな…

生徒と二人きりなんて…

でも、憎めなくて、ほっとけない。

私が空の支えになれるなら。
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