私の空・僕の先生

気づいた気持ち

休み明け、私はどんか顔をして、空に会ったらいいのかわからなかった。

廊下ですれ違ったみると、私は、拍子抜けした。

『先生、おはよ』と、何事もなかったように…

私はもう一度、空がいる方を見た。

空は、私に、誰にも気づかれないように、笑って、手を振ると、教室に入った。

なぜか、顔が真っ赤になって、手で、頬っぺたを押さえた。

…みんなが教室に入ったはずなのの、後ろから視線を感じ、振り返った。

「アッく…じゃなかった。前田先生」

「どうしたの？顔真っ赤だよ。熱でもあるんじゃない？」

そう言って、私のおでこに手を当てた。

私は慌てて、アッ君の手を払いのけた。

アッ君は、クスッと笑った。

「大丈夫だよ。みんな、教室に入ってるし。こんなことだって、できる…」

私を引き寄せたアッ君は、軽く軽くキスをした。

顔が、さらに真っ赤になる。

「あはは。美樹は、女子高生より、純情かも。さっ、授業いこっと」

アッ君は、私に背中を向けたまま、手を振って、立ち去った。

私は、職員室で、テストの丸付けをしていた。

携帯が鳴りだしたから、見てみると…空からだった。

『先生、今日の服、メッチャカワイイ！！♥でも、ちょっとスカート短いかも…ヤロー共が、エロい目で見てるから、気を付けて(T_T)/~~~』

私は思わずスカートを握りしめた。

…今って、授業中なんだけど。

私は、なんだか可笑しくなって、クスクスと笑った。

横の席の学年主任の咳払いで、携帯を急いで閉じた。
　
昼休み、職員室でお弁当を食べていると、女の子が二人、私の席にやってきた。

この子たちは、私が受け持つクラスの生徒で、ミヤコとヨウコ。

「ミキティー、ここが分からないんだけど」

「どれ？あー、これはねー」

私が教えようとした時、ミヤコとヨウコは、ノートで頭を叩かれた。

「イッターイ！！アッシー痛いんですけど！」

二人が頭を押さえながら、抗議した。

「お前らなあ、先生をあだ名で呼ぶなって、いつも言ってるだろ！」

アッ君が、怒っている。

「いいじゃん、べつに！ミキティーは、私たちのアイドル的存在なんだから。ねぇ、ヨウコ」

「そうそう。アッシーには関係ない」

アッ君は、呆れ顔で私を見た。

「いいんですよ。ミヤコもヨウコも、私のカワイイ生徒だから」

アッ君はため息をつき、微笑んだ。

「ま、大島先生に免じて、許してやるか」
そう言って、職員室を出て行った。