God knows…*
「ぼうず、悪かったな」
そう、草薙は事件の被害者の少年だと知らなかったのだ。
「なんか言ってくれよ」
困ったな~…そう言いながらも手を差し伸べてみる。
「ほら、温かい所に行こう」
「………」
少年は無言で、草薙の手を振り払った。
「…いいか? もうお前の家族はいないんだぞ。いつまでもここに居るつもりか?」
言ってから、しまったと思った。
ハッキリ言いすぎたか。
後悔した。
「わかってるよ」
消え入りそうな声で、少年が言った。