真夏の雪
冬夜「俺、バイト始めたんだ!
鈴「…え。バイト禁止だよっ。
冬夜「固いこと言うなって、みんなやってるし。
鈴「…う~ん。でも本当は駄目なんだよっ?
冬夜「…なあなあ、どんなことするか気になる?
鈴「うん。
冬夜「実はさ、バイクでピザ配達する仕事なんだ。
鈴「え…?め、免許は?
冬夜「サバ読んだ。もちろんバイトも。ははっ。
鈴「…安全運転してよ?
もっと…もっと強く言わなきゃ…
すごく後悔してる…
もっと私が強ければ…
もっと勇気があれば…
…あんなことにならなかった。
警官「…トラックが右折するときに小型車が巻き込まれた模様。
トラック運転手は怪我なし。
小型車に乗っていた少年は意識不明の重体。
…どうぞ。
救急隊員「しっかりしろっ!!今から病院に搬送するからなっ!
私が事故を知ったときにはもう…
冬夜はこの世にいなかった。
…さよならも言えなかった。
止めさせる事も出来た。
なのに…。私…駄目だ。
何してるんだろ…。
あまりに突然のことで、声も…
涙もでなかった。
今でもそれは変わらない。