真夏の雪
声『はい。どなたですか?

雪斗「俺だ、水よこせコラ。

プツ…


切れた…



雪斗「すみません!高橋様ぁぁぁー!
恵みのお水様をっ!



玄関の扉は魔法の合い言葉を聞いたかごとく開いた。


開いた扉のそこに立っていたのは…

噂の高橋君だ。


高橋「ほら、水だ山田よ。

高橋は俺に向かってペットボトルをほうり投げた。



雪斗「おいっ!名字で呼ぶな!名字で!

放物線状に飛んできた水を必死にキャッチする。


高橋「いちいち細かい奴だな…。


ふたを開けてがぶ飲みする。

…金持ちの飲む水はひと味違うね…。



高橋の左足の下から小さな子供が顔を出してるのに気が付いた。


…わりと子供は好きな方だ。

見てるといじりたくなる。



ああっ!?手が…
手が勝手に…。


子供「すのーまん!


これがこいつの俺に対する第一声だった。


雪斗「つまんねーこと教えてんじゃねー!雪斗だ!



…忘れていたぜ。
こいつ…伸彦(のぶひこ)は高橋家の血を引き継いでいて…

顔こそ可愛らしいが…心は‘邪神高橋’そのものだった…。

何故なら…


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