真夏の雪
雪斗「なんだ?琴音さんの風邪移ったのかよ?

少し冗談っぽく言うと鈴は照れ笑いした。


けど…琴音さんの反応は尋常ではなかった。


言葉を発した訳でもなく…
何か行動を起こしたわけでもない。


…ただ、今まで琴音さんのあんな深刻な顔は見たことがなかった。


雪斗「…琴音さん?


琴音「なあに?ユキさん?




次の瞬間琴音さんは笑顔だった。



…考えすぎか。
あまり深く考えないようにしよう。


椅子に座り朝食をとる三人。
さっきと同じ事…
さっきと同じ様に喋っているのに何か空気が重く感じた。


俺だけ?


朝食が終わると鈴がパジャマから着替えて来た。


雪斗「制服かいっ!


思わず突っ込んでしまった…
何故か鈴は制服を着ていた。


鈴「今から学校に行くんです。


雪斗「私服でかまわないと思うぜ、俺は。


鈴「う~ん…。
でも制服で行きます。

まあ…服のこだわりは人それぞれだし…。


雪斗「…そうか…。気をつけて行けよ?



鈴「…あの。



雪斗「どうした?



鈴「ユキも行きませんか?


雪斗「俺?別にいいぜ。


とりあえず出る準備しないとな。


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