真夏の雪
俺はギターを担ぎ上げ、準備支度をする。


鈴「わたしもすぐ準備するっ。


そう言うと鈴は二階に上がり部屋に入った。


ふと窓の外を覗くと、人の姿がちらほら見えた。

俺は軽く感動した。

人がいるって素晴らしい。

昨日よりは流石にいないけど…

二日前と比べると砂漠とオアシスくらいの差だ。

マジで。



正直廃墟かと思ってた。


鈴「お待たせです~っ。


上でガッツンガッツンぶつける音と共に鈴が降りてきた。


結構な大荷物を鈴は抱えていた。

画材道具みたいだな。

琴音「鈴~?


鈴「何~?


琴音「はい、あんパン~。

大量のあんパンが鈴に手渡された。


…お昼ご飯にって事だろうが…。

たまにはご飯物…
いや、せめて違うパンにしてくれよ。


鈴「ありがとうっ、お母さん。


それでも鈴は嬉しそうだ。

…そんなにあんパンが好きなんだろうか?


雪斗「行くか?


あんパンを抱えた鈴に言う。


鈴「うん。


外に出ると昨日のお祭り騒ぎが嘘のようだった。



辺りは昨日の残骸がまばらにある。

少し…寂しさを感じた。


鈴「今日は海岸コースで行きませんか?


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