真夏の雪
雪斗「ちょっと遠回りだな。荷物持ってやるよ。

そう言うと鈴から適当な物を取った。

…結構重い。

鈴「ごめんなさい…。荷物…。

雪斗「いいって、それくらい。俺ギター背負ってるだけだし。




鈴はあんパンを持っている…。


今、俺達を見たらまわりの人はどんな風に思うだろう…。


ギターと画材道具を持つ男と大量のあんパンを持つ女…。


何がしたいのか分かんねえな…。


長く続く商店街。
初めは違和感バリバリだったけど…

馴れるとこれはこれでいいな。

雪斗「鈴…絵、完成しそうか?


鈴「もう少しです。完成するまで待っててくれるよね?


雪斗「おう、構わないぜ。


しばらくすると海岸沿いに出てきた。


…俺と鈴が初めて出会った場所だ。

思えば鈴と出会えたのは奇跡だったかもしれない。

鈴はあんまり海岸沿いは通らないみたいだし。


鈴「ここ好きです。潮風が気持ちよくて…。時間がある時たまにくるんです。


雪斗「綺麗だよな~都会なんてゴミゴミしてるから汚いし。


鈴「そうなんだっ。

そう言うと鈴は小さく笑った。

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