真夏の雪
分からない。

嫌いじゃない。どっちかと言うと好きだ。




…頭悪いから考えてもわかんねぇ。

好きなら好きでいいんじゃないか?



…うん。そうだ、きっと。

目の前に広がる校舎。

いつの間にか坂道は終わっていた。


俺と鈴はずっと黙ったまま…。

手を繋いで校舎の中に入って行った。


たどり着いたその先は…


俺が想像していたよりはるかにうす暗く…
物が乱雑に散らかっていた。



俺には物置にしか見えん…。


雪斗「部室?

少し疑問げに鈴に聞いてみた。

首を横に振る鈴。

鈴「私一人だから…部活として認められてないんです。


雪斗「残念だなそれ。

鈴「絵の置き場だけ借りて…。
外に持っていって書いてるのっ。


雪斗「へー…。


鈴「あ、完成するまで見ないでくださいっ。


雪斗「あいよ~。
その辺でギターひいくよ。

画材道具を鈴に渡しその場を去ろうとした。


雪斗「鈴。


鈴「はいっ。




雪斗「その…。
手…はなさないと…。な?


鈴「…あっ。


一度びっくりはしたものの…
それでも鈴は離す気配がなかった。



雪斗「……分かった。いるよ、ここに。
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