真夏の雪
雪斗「…はぁ!も…もう少し…だっ!鈴っ!
入り口に着くと…
自動ドアが開き、俺は中に入り、適当な人間を掴んだ。
男「うわっ!
雪斗「…急患… …ハァ…だ…。
男「ほ、保険証はお持ちですか?
雪斗「日本語わかんねぇのかてめぇ!
強引に押し切り無理やり診察させた。
鈴は病院の人達によって搬送された。
…手術するんだろうか…?
イスにもたれ掛かってうなだれる。
まわりは人の話し声やテレビの音などが騒がしく鳴っている。
しかし俺には全て聞こえなかった。
…真っ白だ。
何も考えられない。
時間だけがただただ過ぎて行く。
雪斗「…鈴。
少しずつ…
少しずつ頭を整理できるようになってきた。
俺はあることに気付いた。
雪斗「琴音さん!
念のため店の電話番号は覚えててあった。
公衆電話を探して急いで店にかける。
琴音『はい!いつもニコニコ神崎パンです~。
雪斗「琴音さん、鈴が倒れた!今病院にいる!
琴音『…ユキさん?
その後…電話は静かに切れた。
雪斗「琴音さん?
何度か、かけなおしてもつながらない。