真夏の雪

飛鳥「雪は全てを白くして嫌なことを消してくれる。




鈴「……え?


飛鳥「真っ白さ。何もかも。はかなくて、綺麗で…。


鈴「よくわからない…。





飛鳥「…つまり好きって事だよ。





私と…飛鳥の出会い…。中学生の頃だった。

眠る私にそんな声が聞こえた気がした。








雪斗「…鈴。



相変わらず鈴は眠ったままだ。


俺と琴音さんは一度店に戻った。


…鈴の回復を願って。

琴音さんもどんどん元気が無くなって…

見るに耐えなくなり俺は店を出ようとした。


雪斗「痛っ!


何かにつまづいて転けそうになった。


雪斗「…ギター。


…そういや、今日ライブする日だ。

一応持ってくか…。

ギターを担ぎ店を出た。


その時だった。
店を出た直後…。
俺の後ろから鋭い衝撃が走った。


雪斗「うおっ!


俺はそのままカエルのような形で地面に倒れた。


…シャツにカエルくっついてたらどうしよ…。


そんなしょうもない事を考えながら起き上がった。


雪斗「いたた…。


男「す、すみませんっ!


自転車だ…。出会い頭にぶつかったんだろ…。

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