真夏の雪
その車は俺達の前に止まり、
パワーウィンドを下げた。


高橋「よう、なにしてんだ?


…高橋!

まだあれを持っているかも…



雪斗「高橋…何も言わず俺の話を聞いてくれ。

高橋「やだよ。


雪斗「聞けよっ!




高橋「…まあ、いいけどよ。なんだ?


雪斗「デカいアンプ…それとシールドあるか?


高橋「エレアコでやんのか?


雪斗「ああ。あと町内放送できるか?


高橋「やっちゃう?やっちゃうか?


高橋は意外とこういうのに乗ってくる奴だ。


狙い通り、テンションが上がり気味(?)になってる。


雪斗「じゃあ場所と時間と…放送内容言うけど…


高橋に必要事項を告げているとき…


飛鳥「…ユキ。

それは聞こえるか聞こえないか程の小さな声だった。


飛鳥「…希望は…。見つかったかい?


雪斗「…え?


振り向くとそこには誰もいなかった。

高橋「…え?じゃねえよ。これでいいんだな?


雪斗「あ…ああ。


手には飛鳥の残したギターが残っていた。

高橋「じゃあちょっくら準備してくる。お前も遅れんなよ。


そういい残し…高橋は去っていった。

雪斗「…さて、俺も準備するか。

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