真夏の雪
見た目こそ庶民的だったが材料は一流だった。


小百合に向かって左手をグーにして親指を立てる。


小百合もこちらをニコニコしながら見ていた。



…それから数時間、雑談をした後…


小百合さんに礼をして、高橋から1万円借りた。


雪斗「世話になったな。一曲聞いてくれ!

高橋「いいから行けよ…。近所迷惑だし。


雪斗「じゃあな。

小百合「また来てね♪

伸彦「雪斗お兄さんちょーカッコいい!


雪斗「あばよ。


後ろから聞こえる黄色い声援を振り切り…
俺は海岸通りに沿って駅に向かった。


雪斗「ここかぁ…。

高橋オススメスポットらしい。

まあ…まずまず?って感じ?


さびれきった駅と
広がる海岸。

人通りは皆無に等しい。

まあ練習場所ってことで。

早速ギターを取り出そうとしたとき…

俺が来た方向と反対方向から黒髪ロングヘアーの細身の奴が俺に向かってやって来た。


まあまあ美形だしあの体型だから…
一瞬女と思った。

…違うじゃん。

男「うわあ!ギターだ!俺もやらしてよ!

見た目とやたら高いトーンのしゃべり方のギャップが凄い奴だった。

つか、ここの人は見境なく誰でも話かけんのか?
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