初恋タイムスリップ(成海side)
「東京に行くからってなんだよ。
遠距離恋愛なんて、お前らならなんとかなるだろ。
それに、今すぐ東京ってわけでもないし。
なんでだよ。会いに・・」
「俺が嫌なんだよ!!
俺が・・嫌なんだよ。
もし、今美音に会って、やり直すことになったら、
俺、気持ちがぶれる」
篤志は首をかしげた。
「気持ちが・・・ぶれる?」
「東京に行きたくなくなる気がするんだ。
俺、自分の夢を投げ出してしまいそうで、怖いんだ。
ずっと、掲げてきた将来の夢を、
俺・・・。
叶えたいんだ。
叶えなくちゃいけないんだ、絶対に。
気持ちが、ぶれるようなことは、したくない」
自分の言っていることが、
ものすごく勝手でひどいことなのかもしれない。
篤志は、あきれるかもしれない。
でも、俺は、優のためにも、
叶えなくちゃけないんだ。
ずっと合格するために、勉強も頑張ってきた。
高3になり、もうすぐ受験って時に、
今、美音には会えない。
美音に会ったら
もう、2度と離れたくないと思ってしまう自分が、
わかっていたから・・・