初恋タイムスリップ(成海side)




夢・・・だったのか?


どこからどこまでが夢?



でも、今、俺の手にはオルゴールがある。



夢じゃ、なかったんだ。


ソファー脇の机の上にある、まだ飲んでいない冷め切ったコーヒーを持った。


片手には、オルゴール。

立ち上がって自分の机へと向かった。



「あら、素敵ですね」


看護師が、オルゴールを見ていった。


「これ、オルゴールなんですよ」


俺は、机にオルゴールを置いて、

蓋をあけた。




優しい音が流れ出した。




俺は、自分の椅子に座って、しばらくコーヒーを飲みながら、


オルゴールの音を聞いていた。




懐かしい気持ちになった。




中学時代に戻ったような気がしていた。





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