初恋タイムスリップ(成海side)
しばらく待っていたら、携帯が鳴った。
「はい、成海です」
『もしもし、成海先生?悪いんだけど、
明日、当直入れる?入れるよね?』
・・・ああ、既に入る前提なのか。
先輩だし、断れないし・・・
「あ・・・・」
『休みつぶしても大丈夫でしょ?彼女いないんだし。
成海先生いっつも病院にいるし。
成海先生待ってる患者さんいっぱいいるから。
なんなら、朝から来てもいいけど?』
え。 絶対に今俺、おだてられているよな。
「いや、当直入ります。はい・・・」
『じゃあ、よろしく』
「は・・」
ブツ ツーーツーーツーー
返事をする前に電話が切れた。
なんか、うまくのせられたような・・・
はぁ・・・せっかくの久しぶりの一日休日が・・・
しかたない。昼前には、こっちを出るか。
俺は、石に座って、少しうなだれていた。
すると、なんだか視線を感じて、細い道の先、
小さな街灯の方に目をやった。
そこには、街灯に照らされた、女性が立っていた。