初恋タイムスリップ(成海side)
名前を読んだら、じっと俺を見つめてきた。
あの頃と同じ瞳で、首を傾げて俺を見上げる美音に、
思わず笑ってしまった。
すると、美音は、ハッとして口を手で抑えた。
「な・・・るみ・・・くん?」
美音の声を、また聞くことができて
それだけでうれしくなった。
「久しぶりだな。美音」
美音は、大きな目をパチパチさせて驚いていた。
「どうして・・・ここに?」
「座って話すか?」
俺は、さっきまで座っていた石を指さした。
そして、二人で、石に座り、
俺は、長い夢を見たこと、女の子に会ったことを話した。
そして、自分の気持ちを伝えた。
10年間ずっと俺の気持ちが変わらなかった。
俺は、美音が好きだと。
すると、美音も、
自分の気持ちを言ってくれた。
ずっと俺が好きだったと。
そして、美音は涙を流し始めた。
俺は、美音の涙を指で拭った。