初恋タイムスリップ(成海side)
+++~美音side~+++
成海くんと、再会してから、
3ヶ月が過ぎた。
この3ヶ月の間に、会えたのは、
たった、一日。
しかも、数時間で成海くんは帰ってしまった。
仕事が、本当に大変のようで、
しかも、遠い。
でも、会えなくても、連絡が取りにくくても、
繋がりさえなかった10年間を思えば、
今は、繋がっている・・それだけで幸せなんだと思う。
私は時々、成海くんがいなくても、
お母さんに会いに遊びにいくようになっていた。
とても優しくて、お母さんのいない私には、
とても大切な存在になっていた。
「美音ちゃん、さみしくない?」
土曜日は毎週のようにお母さんに会っていて、
二人で買い物ついでに、レストランでランチをしていた。
「大丈夫です。今、すごく幸せです」
私は、お母さんに笑いかけた。
「そう・・・でももうちょっと良に会えるといいのにね・・
そうだ!」
お母さんは、そう言って自分のバッグから手帳を出した。
「えっとね・・・8月8月・・
そうそう、再来週の8月2日の土曜日、良が休みでこっちに帰ってくるでしょ?
その前日が優の年に1度の通院日で、T大学病院に行くんだけど、
美音ちゃんも一緒に東京行く?お仕事かしら?」
私も手帳を出した。
「その日は・・有給取れますけど・・・」
お母さんは手帳を閉じて、うんうん!と嬉しそうに頷いた。
「良の白衣姿・・・かっこいいわよ~」
白衣姿・・・
「それに金曜日美音ちゃんは良の部屋に泊まって、土曜日は
こっちじゃなくて、東京でデートしてきたら?」
成海くんの部屋
東京でデート・・・
「いいのかな……」
お母さんはまた、うんうんと嬉しそうに頷いた。
「当たり前じゃない!
婚約者なんだから!」