初恋タイムスリップ(成海side)


先生が来て、授業が始まった。

早速合唱の練習となったけど、

その日は、CDで曲を聴くのとパート決めで終わった。


それから、

音楽の時間がくるのが、待ち遠しくなっていた。



俺は、正直音楽の授業があまり好きじゃなかったけど、

これをきっかけに、音楽の授業がすごく楽しみになった。




そんなある日の休み時間、



「このクラスの指揮者と伴奏者は、放課後音楽室にきてねー。

練習するからー」


瀬戸先生が教室の入口からそう叫んだ。



放課後?



「なあ……篤志」


「んあ?」


「俺、今日、部活ちょっと遅れるわ」


「あ……さっきの、瀬戸先生の叫び?

お前、指揮者だもんな」


「先生に言っといて」


「あぁ。わかった」



授業が始まり、ふと窓際の桜木を見てしまった。


真剣な顔でノートをとっている。




放課後、桜木と………





やべ。俺、何考えてんだ。



集中集中。授業中だぞ。


俺は、前を向き直した。



【K高校合格】


これは絶対に叶えるんだ。






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