初恋タイムスリップ(成海side)
納得できないって、
なんで、前野に納得してもらわないとけないんだよ。
すると、篤志が俺の足を蹴ってきた。
そして、うんうんと頷いていた。
頷くってなんだよ、桜木じゃないって言えっていうのか。
そんなの、言えるかよ。
「何度、何を言われても、
俺は、本人にしか、自分の気持ちは言わない」
そう言ったら、篤志が「バカだなー」と、頭を抱えた。
前野は、バンっと俺の机を叩いた。
「桜木さんだったら、
私、許さないから」
そう言って、自分の席へと戻っていった。
「成海、お前バカだ。バカバカバカ!
桜木のためにも、違うって言っておくべきだったって」
桜木のため・・
桜木を守るために、
俺は自分の気持ちに嘘をつかなくちゃいけないのか・・
桜木が俺をどう思っているのかも確かめずに、
俺は、
『納得できない』とか、
『許さない』とか他人に言われて、
そんなことで、俺は、
桜木への気持ちを隠さないといけないのか・・
そんなの、俺は・・嫌だ。
「篤志」
「ん?」
「俺、今日桜木に告白する」