初恋タイムスリップ(成海side)
「そんな、わかんねーじゃん。
言ってみなきゃ、わかんねーじゃん」
「わかんだよ!そんなの。
お前みたいに、俺、イケメンでもねーし、
勉強が特にできるわけでもねーし。
足だって、いくらやったって速くなんねーし。
俺、自信がねぇんだよ。
なんでもできる成海には、わかんねーよ!」
篤志は、持っていたタオルを俺に投げつけてきた。
俺は、タオルを拾った。
「・・・ごめん。言いすぎた」
篤志はそう謝って、俺からタオルを奪った。
「篤志、あきらめんなよ」
篤志は、こわばっていた表情をふっと緩めた。
「あきらめるなんて、誰がいったよ。
今の俺は、自信がねーけど、
俺、勉強して、部活も頑張って、
自分に自信がついたら、
告白する。
負けるとわかっている試合なんてしねーだろ?
互角に戦えるぐらいになってからだ」
そう言って篤志は
外周のために走って行ってしまった。