初恋タイムスリップ(成海side)
俺は、篤志を追いかけて、
隣に並んで走った。
「篤志、一緒にK高受けようぜ」
篤志は、ブッと吹き出して笑った。
「K高?県内トップの?
さすがにK高は・・無理だな」
「A大生と互角に戦うなら、K高だろ。
篤志と一緒なら、俺も・・
うれしいしな」
俺は篤志を追い抜いて、走る速度を早めた。
すると、後ろからダッダッダッダッと、足音がした。
「お前、受かる気満々なんだな」
そう言って、篤志が追い抜いていった。
俺は、篤志を追いかけた。
「受かる気でいないと、やってらんねーって」
俺は、篤志を追い抜きざまにそう言った。
ぐわーっと二人で外周をダッシュした。
追いかけて
追い抜いて
篤志、
幼稚園の時も一緒に
園庭を無意味に走り回ってたよな・・
お前とは、この先もずっと
親友でいたいんだ。
そして、外周が終わり、
二人でブッ倒れた。
二人で、グラウンドで仰向けに倒れ、
雲ひとつ無い空を見た。
「しょ−がね−な−
K高行ってやるよ、お前と」
篤志が、息を切らしながら言った。
「うん。行こうぜ、約束な」
ピピーーーー!!!!!
「お前ら、何寝そべってんだ!!
外周プラス1な!」
顧問の先生に怒鳴られて飛び起き、
また、篤志と走り出した。