初恋タイムスリップ(成海side)
帰り道は、何を話せばいいのか、
わからなかった。
ただ、俺と付き合ったことで、
俺の知らないところで、
美音が何かされて、嫌な思いをしていないだろうかと、
そこが、気になっていた。
「学校・・大丈夫か?」
そう遠まわしに聞くと、
「大丈夫」と美音はいつも答えた。
「何かあったら、言えよ」
俺は、それしか言えなかった。
そして結局いつも、
ほとんど何も話さず、美音の家についてしまっていた。
美音は、俺と付き合って、
楽しいだろうか。
本当に俺が、好きなんだろうか。
一緒に帰っても、ほとんど俺を見ることがない。
いつも下を向いてしまっている。
無理・・させているのだろうか・・・
だんだんと、そんな気がしてきてしまった。