初恋タイムスリップ(成海side)
朝、下駄箱で、上履きに履き替えていたら、
前野が近づいてきた。
「私、彼女がいてもあきらめないから。
絶対に。
私、桜木さんには負けないから」
俺は、バッグを肩にかけ直して、
前野の横を通り過ぎた。
教室に入ると、美音が来ていた。
「風邪大丈夫か?」
俺がおでこに手を当てると、
「うん」
と、顔を赤らめた。
少し、また痩せたんじゃないか・・
大丈夫だろうか。
ちゃんと食べているのだろうか、
こんなに細くて・・・
ふと、昨日の電話のお母さんを思い出した。
美音の家族ってどんな人なんだろうか・・
あの電話の様子・・
あの後、美音大丈夫だっただろうか。