初恋タイムスリップ(成海side)
校舎から出ると、篤志が俺のバッグを持って、
待っていてくれた。
「大丈夫だったか?」
俺は頷いた。
「ただ・・」
「ただ?」
「瀬戸先生に、付き合ってることがバレた」
篤志は手をたたいて爆笑した。
「瀬戸先生なら大丈夫じゃん?理解ありそうだし。
じゃあな」
「ほれ」と、俺にバッグを渡して、
篤志は帰って行った。
するとすぐに美音が校舎から出てきた。
「ごめんね。遅くなって」
また、はあはあ息切れしている。
そんなに急ぐと、転ぶぞ。
「大丈夫か?なんかあった?」
「ううん・・何も」
美音は少し目をそらした。
何か、あったのか?
あっても言えないのか?
「何かあったら言えよ」
「うん・・・」
それ以上深く突っ込むことができずに、
俺は、美音が話してくれるのを待つことにした。