初恋タイムスリップ(成海side)
ピッ!!!
ホイッスルの音と同時に
篤志が思いっきり走っていき、
次に俺がスタートラインに立った。
桜木が…マシだ?
ちっこい?
ふざけんな。
しかも……暗い?
おとなしいだけだろ。
俺は、篤志が桜木を悪く言った事に腹が立った。
なんか、ムシャクシャする。
ピッ!!!
俺は、思いっきり、ダッシュした。
「お!成海!いいタイムだぞ!!」
先生にそう言われて、なんだか複雑だった。
俺・・なんでイラついてんだ。
なんで、好タイムがでるほど・・
それから、俺は、
篤志に桜木のことを話すことをやめた。
ただ、教室で、桜木を
時々見ていた。
あまりしゃべらない。
発言もほとんどしない。
ひとりで窓の外を眺めていることの多い
おとなしい
静かな子だと思った。