初恋タイムスリップ(成海side)
マフラーを持った美音が、
俺の首に巻こうと、
一生懸命腕を伸ばした。
背がちっちゃいからな・・
なかなかうまくいかなくて、
美音は、ぐっと背伸びをした。
その姿がちょっとおかしくて、
吹き出して笑ってしまった。
俺は、少し前屈みになった。
「これで、届く?」
前屈みになったのはいいけど、
思った以上に、
美音の顔のそばに、自分の顔を近づけてしまって、
ドキドキしてしまった。
美音は、ゆっくりと、俺にマフラーを巻きつけて、
形を整えていた。
マフラーを編んでくれたってことは、
ちゃんと、俺のこと
好きでいてくれているってことだよな・・・
無理させているんじゃないか、
本当は、好きじゃないんじゃないか、
そんな不安が全部吹っ飛んだ。
そして、
俺は、美音の顔にもっと近づいてしまった。
すると、
美音は、大きく一歩下がって、
俺から離れた。