初恋タイムスリップ(成海side)
「美音、ごめん・・」
ちょ・・調子に乗りすぎた。
ごめん・・美音。
恥ずかしすぎて、美音の顔を見ることができない。
「成海くん」
「じゃ、また明日な」
俺は、ぐるっと向きを変えて、
家の方向へ走った。
めちゃめちゃかっこ悪いな・・俺。
家まで走って、
玄関で、ちょっと呼吸を整えてから、
リビングに入った。
「おかえり」
母さんがそう言って、じろじろと俺を眺めた。
「な、何?」
母さんは、ふふっと笑った。
「どうしたの?その・・素敵なマフラー」
あ・・・やべ。忘れてた。
「もらったんだよ」
そう言って、俺はリビングのソファーに
どかっと座ってバッグをおろした。
すると、母さんが隣に座ってきた。
「誰に?」
母さん・・ワクワクしすぎだろ。
「彼女にだよ」
きゃー!!と叫んで足をバタバタさせた母さんを、
優が不思議そうに見つめていた。