初恋タイムスリップ(成海side)



「美音、ごめん・・」



ちょ・・調子に乗りすぎた。


ごめん・・美音。


恥ずかしすぎて、美音の顔を見ることができない。

「成海くん」
「じゃ、また明日な」


俺は、ぐるっと向きを変えて、

家の方向へ走った。

めちゃめちゃかっこ悪いな・・俺。





家まで走って、


玄関で、ちょっと呼吸を整えてから、

リビングに入った。



「おかえり」


母さんがそう言って、じろじろと俺を眺めた。





「な、何?」




母さんは、ふふっと笑った。



「どうしたの?その・・素敵なマフラー」



あ・・・やべ。忘れてた。



「もらったんだよ」



そう言って、俺はリビングのソファーに

どかっと座ってバッグをおろした。




すると、母さんが隣に座ってきた。



「誰に?」




母さん・・ワクワクしすぎだろ。



「彼女にだよ」




きゃー!!と叫んで足をバタバタさせた母さんを、


優が不思議そうに見つめていた。


< 72 / 143 >

この作品をシェア

pagetop