初恋タイムスリップ(成海side)




どうやったら、笑ってくれるんだろうか。


泣かせてばかりだ。



俺といると、つらいんだろうか・・



俺は、もっと美音を知りたいんだ。



もっと、なんでも話せるようになりたいんだ。



「美音、日曜日一緒にどこかにいこうか。

あ・・先生きた・・考えといて」



そして、二人で教室に戻った。


もう少し、一緒にいられる時間が増えれば、


美音との距離も縮まるかもしれない。




そう思った。





でも、そんな考えは、


その日の帰りにもろくも崩された。




帰り道に美音に聞いたら、





「日曜日はピアノのレッスンがあって、


ちょっと出かけられないの」




そう、断られた。




「そっか、残念だけど、ピアノ頑張れよ」




俺は、無理に笑った。




「じゃあ・・またな」





しかたない。


ピアノなんだ。


応援しよう。



自分の家へと歩きながら、


何回も繰り返し、自分に言い聞かせた。





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