初恋タイムスリップ(成海side)
店員のお姉さんは、何件も電話をしてくれた。
「ないか・・」
もうすでに10件以上電話をかけてくれていた。
「ない」
「ない・・・そうですか」
「ないですか・・・」
「ない」
そして、しばらくして、
「あ!ありますか!はい。はい。
あ・・ありがとうございます!
はい、じゃあよろしくお願いします!
失礼します!!」
お姉さんは、電話を切ると俺に握手を求めてきた。
俺は、そろそろっと手を出すと、
ガシっと手を握られた。
「よかったね。あったよ!
でもね、ここからだいぶ遠い店舗だから」
マジか・・・
「取り寄せまで、時間がかかるの。ごめんなさいね。
そうね・・学校があるでしょ?
だから・・
2週間後の日曜日なら、確実に届いているから
その頃にまた来て」
2週間後・・
よかった。間に合う。
「ありがとうございました。
また、来ます」
俺は、深々と頭を下げて、
店を後にした。