初恋タイムスリップ(成海side)





3月28日


中学2年の終業式




美音の家の前







「成海くん…別れたい」






美音からの初めて頼みは、



別れることだった。




やっぱり俺が…


苦しめていたんだ。






「ごめんな…」



俺は謝った。


美音は、無表情だった。




俺がこんなに痩せさせてしまったのか…




「じゃあ


ちゃんと食べろよ…」






俺はそれだけ言って、




初めて一度も振り返らずに




家へと歩いた。




何もしてあげられなかった。



いや、違う。



別れてあげられたじゃないか。



本当は好きなのに。



別れたくなんかないのに。




美音の頼みを聞いてあげられたじゃないか、

ちゃんと最後に。







美音のためだ。


美音のため…なんだ。






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