初恋タイムスリップ(成海side)
「おおお!!!すげ~」
「すごいうまいね!!」
桜木が弾き終わると、自然と拍手が沸き起こった。
彼女はとても恥ずかしそうにしていた。
「桜木さんで決まりね」
音楽の瀬戸先生がそう言った。
桜木が伴奏者か。
一人一人の演奏時間が長くて、授業時間をオ−バ−し、すでに休み時間に入っていた。
みんなガタガタと片付け始めた。
俺はその時、ふとある考えが浮かんだ。
そして音楽室から出ていく瀬戸先生を、
ダッシュで追いかけ、音楽室から飛び出した。
「瀬戸先生!」
先生は、教科書類を抱えながら、振り向いた。
「どうしたの?成海くん」
「俺・・
俺、指揮者やります!」