短篇
眠っていると思っていた、魚は群れを成してトンネルの中に立つ、私の頭上を横切る。


夜行性の魚がいるんです、と通り掛かりの男性従業員に言われて、もう一度見上げる。


群れはもう消えて、青く照らされた水槽がぼんやり目に映る。


光をゆったりと放つ水面はとても幻想的で、意味もなく、その青を見つめる。



浅い水槽に移動する。
星形のヒトデが砂の上に広がって、可愛く思う反面、少し不気味。

星の先端に軽く触れて、びっくりして、僅かに悲鳴がもれる。


どきどきして、鼓動のおかけで思い出す。


今はゲームの真っ最中だったということを。
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