君の心臓を、私にちょうだい

「先輩! 写真撮りましょうよ!」



ほら、人気者の君は、後輩達に囲まれている。

まだボタンはひとつもなくなっていないけど、きっと時間の問題。


今日で、最後。


春の風は、切ないくらい暖かい。




『じゃあ、あたしに第二ボタンちょーだい』

『おー、あげるあげる』




あの日の約束なんて、きっと君は覚えていない。


ただの、戯れ。


だけど、あの時の私の精一杯。



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