卒業
 本棚の整理をしながら、時々手に取った本を広げて窓辺で夕焼けをたよりに読む彼。


 そんな彼を見た時、私の心臓は今まで体験したことがなかったような動きをした。

 ドクッドクッ・・・


 何これ??病気!?


 私があまりにもきょとんとした顔で自分の心臓を押さえていると、正樹は異変に気付いたらしく、私の方に近づいてきた。

 「杉下?どーした?さっきから全然手動いてないけど・・」

 
 「え!?いや・・・何かちょっとぼーっとしちゃって。夕焼けでぽかぽかしてるからかな」


 「ポカポカて・・・面白いなお前」 
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