卒業
 私は何にも由美のことを知らなかった。


 そう思えたのはその3ヶ月後のことだった。


 
 ピシャン・・・

 
 3ヶ月後のある日、学校に朝行くと様子はいつもと違っていた。

 
 冷たい視線
 返ってこないあいさつの言葉
 教室に無い私の机
 

 由美?

 
 冷たい視線の中に信じられないものがあった。

 
 昨日まで一緒に遊んでた由美の冷たい視線。誰の物よりも冷たく感じた。


 正樹も同じような被害にあっていた。



 忘れもしない小6の4月。


 その日体育が午前中にあり、正樹はその時のサッカーでキーパーを任され、ケガをした。授業中の出来事で先生が居る手前、皆が正樹を心配した。


 
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