卒業
 授業が終わって保健室に正樹を連れて行くと、そこにはあり得ない光景が広がっていた。

 

 正樹の肩を抱いた私がよろよろと保健室のドアを開けると、保健室にはたくさんの人。

 
 深谷を筆頭に、クラスの男子とクラスで目立った感じの女子が保健室に立てこもっていた。


 保険の先生は困り顔で何もしてくれない。


 
 「あの・・中に入れてくれない?ケガしてるんだけど・・」



 「は?深谷の傷の方が深いんですけどー」


 
 今まであんまり仲良くなかった女子がいかにも意地悪な顔でドアから顔を覗かせた。


 人ってこんなに醜い顔ができるものなのか?


 その立てこもり集団の中、深谷の隣に由美がいた。



 私が由美を集団の中から見つけたとき、由美ははっと目をそらした。
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