恋想曲 ~永遠の恋人へ~
昼食の時間。

家庭科室で作ったカレーを食べながら、麻衣子と信汰に柏木先輩の話をしてた。


信汰はカレーを頬張りながら「よかったね」って。

麻衣子は「うん、うん」って。


私、大好きな福神漬けを入れ忘れるくらい嬉しかったんだ。

カレーを食べながら、幸せを噛み締めた。



遅れて家庭科室に来た遼ちゃんと柏木先輩が、カレーを食べながら何か言い合ってる。


二人の顔が、やっぱり相対的に見えて可笑しい。

私、こっそり笑っちゃった。

兄弟みたいにじゃれ合って楽しそう。


デザートに柏木先輩が差し入れしてくれたアイスを食べてる時、

気づいちゃったんだ。


二つしかなかったミルクのアイス。


ひとつは私の手に。


もうひとつは、

遼ちゃんの口の中に…。


冷たいアイスを食べてるのに、胸の中が熱くなる。


ねえ、遼ちゃん

私、自分は弱いって思ってたけど

本当は強いのかも。


ふられても、こんなに遼ちゃんのことが好きだよ。



こんなに……好きだよ。








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