恋想曲 ~永遠の恋人へ~

告白

合宿2日目は、やっぱり雨だった。

空が暗いとなんだか気分が落ち込んじゃう。


朝食を食べてると、窓から外に知らないバスが止まったのが見えた。

バスから大きな体の男の人たちが降りて来る。


「あの人たち、西山高校のラグビー部だよ。なんかガラ悪そうだね」

「うん」

隣でおにぎりを食べながら麻衣子が教えてくれた。


確かにガラ悪そうに見える。

顎に髭なんかはやしちゃって。

目つきもずっと睨んでるように見える。


お母さんに、見た目で人を判断しちゃいけないって言われてるけど、

あれは誰が見てもガラ悪いよね。




「あ、メトロノーム持って来るの忘れた。悪いけど持って来て」

基礎練習を始めようとした時、遼ちゃんに言われて準備室に取りに来た。


遼ちゃんに『悪い』って謝られるだけで、ちょっと胸がズキッとする。


変だよね。優しく言ってくれただけなのに。


他の人から言われてもなんとも思わないのに、距離を感じる。


溜息をついてメトロノームを手に取り、重い足取りで準備室から出ると、

音楽室に向かう廊下で男の人たちが数人たむろってるが見えた。


あのラグビー部の人たちだ。


あんな所でしゃがみこんで何やってるんだろう。

試合は?雨だから中止になったのかな…。

あの赤いシャツの人、こっち見てる?


一瞬いやな予感がして引き返そうと思ったけど、他に行く方法がなくて歩き続けた。



私の予感は的中した。






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