恋想曲 ~永遠の恋人へ~
林先生がにっこりと笑って遼ちゃんに言った。


「小川、やっと調子が戻って良かったな」



遼ちゃん、調子悪かったの?

演奏姿ずっと見てなかったから気づかなかった。



遼ちゃんを見ると、遼ちゃんは慌てたように目を大きくして、顔を赤くしてた。





もしかして…


遼ちゃんの言葉を思い出す。



『気持ちが音に表われるんだよ』






今までも私が遼ちゃんの心にいたってこと?

ちょっとでも遼ちゃんの特別だったってこと…?



遼ちゃんの赤い顔が

『そうだよ』って教えてれてるみたいだった。




嬉しくて泣きそうになる。

私、こんなに泣き虫だったっけ…?





人は、恋をすると弱くなるのかな?


すぐに心が乱れてしまう。


自分が壊れそうになる。




それでも私は恋をしたい。


遼ちゃんの特別でいたいって思う。





この気持ちだけは

どんなことがあっても壊れない。











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