恋想曲 ~永遠の恋人へ~
何がなんだかわからなかった。




ただ、スカートからパンツに滲みてきた水溜まりの雨を、


冷たく感じた。





家に帰ると、サブローがシッポを振って迎えてくれた。



私の帰りを喜んでくれるサブロー。



なんだか急に

胸の中が切られたように痛くなって…





私は泣いた。



大きな声をあげて泣いた。





「どうしたの!?」


泣き声に気づいたおばあちゃんが家から出てきた。




おばあちゃんは泣き続ける私をお風呂に入れて、「元気だしなさい!」ってお尻を叩いた。




冷たかったお尻は、ちょっとだけ温かくなった。





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