恋想曲 ~永遠の恋人へ~
陽が沈み、空にはまんまるいお月さまと小さな星たちが瞬いている。

月の明かりを頼りに私たちはくじ引きをする。



まさか、くじ引きでペアを決めることになるなんて…。

去年までは好きな相手と歩いてたのに、今年に限ってくじ引きが用意されてた。


砂山先生が、良かれと思ったのか暇をしてたからなのか、昼間のうちに全員のくじ引きを作ってた。


「たまには気が利くだろ?」

みんなの顔を見て嬉しそうに言う砂山先生。




砂山先生・・


どうしてくじ引きなんて作ったの~~!

遼ちゃんと一緒に歩けると思ってたのに~!



遼ちゃんはぶっちょう面でくじを引いてる。

くじ箱を持ってる嶌田部長はそんな遼ちゃんを不思議そうに見てた。



「遼は7番ね」

嶌田部長が言った番号を、副部長の山崎先輩がメモしていく。




「次、女子がくじ引きひいて」


三年生から順に引かれていく。



どうか、7番は私にとっておいて下さい!



くじが引かれるたび心の中で祈った。

その甲斐あってか私の番まで7番は呼ばれなかった。



「先に葵が引いていいよ」

麻衣子が私の手を引いてくれた。



こんなにドキドキするくじ引きは初めて。


どうか7番が引けますように!!



一番小さく丸まったくじを選んだ。




嶌田部長がくじを開いて口にした番号は……










< 120 / 326 >

この作品をシェア

pagetop