恋想曲 ~永遠の恋人へ~
「葵ちゃんは6番」


かすった~~~!!

ひとつ違いだよ…。


一気に気持ちが沈んだ。



だけど、私と同じ表情をしている遼ちゃんを見たら、ちょっぴり嬉しくなった。


私たち、気持ちが繋がってるんだね。




「ごめん、6番俺だわ…」

信汰が申し訳なさそうに言った。


「信汰でよかった。他の男子だと緊張しちゃうもん。
麻衣子は何番だった?」


「私、トップバッター。それも斎藤先輩と!」


ちょっといやそうな顔をした麻衣子は、すぐに名前を呼ばれて斎藤先輩とコースを歩き始めた。




あ~あ、みんな行きたい相手とすれ違いだね。

昨日の雨で湿っている芝生を触りながら順番を待った。



斎藤先輩、ちゃんと麻衣子と歩いてくれてるかな。

麻衣子怖がりだからな…。

けど、心霊スポットっていうわけじゃないし、怖くないか‥。

それに、あの川沿いの道は何年か前に蛍を見たって言う人がいたから、もしかしたら幽霊じゃなく蛍が見れるかも。



麻衣子が戻ってきたら感想を聞こうと思ってたけど、麻衣子が戻る前に私の番になった。


「信汰、私たちの番だよ」

「おう」


信汰が私の隣に並んだ時、変な視線を感じた。



信汰の顔を見ると、ニコって・・


なに?その笑みは…









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